今さら聞けない?クラウドってなに?

今さら聞けない?クラウドってなに?

近年「クラウド」という言葉を、当たり前のように耳にする機会が増えましたよね。
ということで、今回はクラウドについてザックリと説明していきます。
読み終える頃には、クラウドへの理解が少しでも向上していれば幸いです。

クラウド(cloud)とは

2020年のコロナショック後、あの蓮舫議員も「時代はクラウドなんですよ」って言ってたくらいですから、今では子供から大人まで老若男女が普通に使うようになりました。

そもそもクラウド(cloud)は日本語で「雲」という意味です。

Web もクモの巣を意味しますが、それは昆虫の蜘蛛で、こちらは空に浮かぶ雲です。
日本語の発音は同じですが、残念なことにそれは偶然です。

クラウドという言葉は2006年に使われ始めたようです。
その頃、プレゼン資料などでインターネットを表すのに雲のイラストをよく用いられていたので、そう呼ばれるようになったと言われています。

混同しないように注意!

クラウドファンディングのクラウド(crowd)は、スペルが異なり「群衆」という意味です!

クラウドのメリットは?

雲といっても、実体はコンピューターがネットワークでつながって動作していて、ユーザーはインターネットを介して使用します。ですがユーザーはどこにあるどのサーバーを使うとか指定するわけではなく、例えば大阪の⚪︎×ネットのサーバーという意識をする必要もなく、クラウドの A というサーバーを使うという感じです。
物理的に A というサーバーが存在するのではなく、クラウド上のいくつかのコンピューターで構成されている仮想のサーバーなのです。

準備が簡単

一般的なサーバーを利用するのと大きな違いは、あらかじめ全てお膳立てしてくれているところです。
一般的に自社内にサーバーを立ち上げる場合には、コンピューターを購入して、Windows や Linux 等の OS (オペレーティングシステム)をインストールして、データベースとか Web サーバー等をインストールして設定して、その上にアプリケーションと呼ばれるソフトウェアを導入してやっと使えるようになります。アプリケーションとは、スマホでいうアプリです。実際にユーザーはアプリケーションを使って経理処理をしたりします。

クラウドでは、これらがほとんど用意されていて、あとは個人用や会社用に設定するだけです。
もちろん特別なアプリケーションをインストールして使うこともできますが、ほとんど予め用意されているというところが大きなポイントです。

Officeソフトもクラウドで使える

先日名前を変えましたが「Google Workspace」というクラウドサービスは、ワープロの Google ドキュメント、表計算の Google スプレッドシート、プレゼンアプリの Google スライド等、Office アプリからメールや作成したファイルを保存しておく Google ドライブ等のビジネスで利用するアプリが一式用意されています。

これが無料で使えるのです。無料では容量が足りないとか、広告が出て鬱陶しいとか思ったら一番安いものだと月680円(税別)で使えるようになります。(2020年10月時点)
パソコンにインストールするタイプの Office ソフトを一式買うと、いずれは古くなってしまう上に、イニシャルコストが3万円ほど掛かりますから、常に最新バージョンが使えることを考えると、クラウドにデータが残るという部分を気にしないのであれば結局コストが安くつきます。

どこからでもアクセスできる

さらにクラウドは、パソコンからもスマホからもタブレットからでも使えるため、ユーザーがどこにいてもデータにアクセスできるようになります。クラウドの良さはここにもあります。
社内のパソコンやサーバーにデータがある場合、通常そのままでは外出先からアクセスできません。
特別にリモートでアクセスできるようにすることも可能ですが、その場合にでも結局はパソコンでないとアクセスできないとか制限がでてくるのが普通です。

拡張性が高い

もう一つ、クラウドの良さはスケーラビリティにあります。
難しい言葉が出てきました。「スケーラビリティ」とは拡張性です。
「たくさんの人が使うようになったから、CPU を強力なものに変えよう」とか「データが一杯になったのでストレージを増やさないといけなくなった」とか、そういった場合にクラウドではなかったら、部品を買って交換したり、部品を増やしたりしないといけないのですが、クラウドでは部品を買わずともネット上から設定するだけです。
当然、利用料金は変わってくるのですが、部品を買ってきて付け変えるのと比べると安価で手軽に行えます。

データ保管が分散される

クラウドではデータ自身は、分散して保管されていることがほとんどです。よってまずデータが紛失することはないと考えていいです。
実際、自分のパソコンにだけデータがある場合は、パソコンが壊れてしまうとデータがなくなってしまうことがあり、必要なデータは定期的に外部ストレージにバックアップを取っておく必要があります。それをクラウドなら自動でやってくれているので安心できます。

クラウドのデメリットは?

このようにメリットの多いクラウドですが、やはりデメリットもあります。

まず、基本的にはネットワークにつながっていないと使えません。一部の機能はオフラインつまりインターネットにつながっていない状態でも使えますが、結局はデータをクラウドに置く際につながっていないと保存できません。

また、クラウドサービスがトラブルで止まることもあります。実際最近 AWS(Amazon Web Service)や Google がトラブルで一時使えないことがありました。
さらには、クラウドサービスを提供している企業が突然サービスを中止することも考えられます。

この辺りのデメリットは、大手 IT 企業のサービスを使うことで大体解消できます。サービスが一時的に止まることも稀にありますが、先に書いた AWS にしろ Google にしろ割と早くトラブルは解消しています。
また、大手ですと突然サービスが中止されることもまずありません。もしあったとしても予め告知されますので、中止されるまでに他のサービスに乗り換えることも可能です。

強力なパスワードや2段階認証など、適切に管理することは大前提です!

まとめ

このように便利なクラウドサービスは、特に中小、零細企業の方にはお勧めです。
自社に特別に担当者を置いてサーバーやパソコンの管理をおこなったり、業者に依頼して保守管理してもらうにはかなりの費用がかかります。
クラウドでしたら月々の利用料等は必要ですが、専任の人件費は不要ですのでリーズナブルに新しいサービスを利用できます。

今、特に自社内の個々パソコンだけで業務を行なっておられる方は、クラウドに移行することにより前述の管理費用の削減はもとより、情報の共有によりもう1段階上の業務連携を行えるでしょう。
さあ、クラウドを活用して、DXに向けて一歩踏み出してみませんか。