企業でもYouTubeを活用しやすいVTuberを徹底解説【動画マーケティング】

企業でもYouTubeを活用しやすいVTuberを徹底解説【動画マーケティング】

2020年の春より普及が始まった5Gより、従来よりも高速で大容量のデータ通信が可能となりました。それにともない、動画マーケティングをする企業は増加することが予想されており、2025年には広告の50%が動画になるとも言われています。

ところが企業が動画で情報発信をする際は、動画に出演するインフルエンサーを起用したり撮影に時間とコストをかける必要があったりと、運用が難しい側面もあります。

そこでおすすめなのが、企業VTuberの導入です。企業VTuberを導入すれば生身の人間を動画に出す必要がなく、低コストで動画マーケティングが可能となります。

今回は、そんな企業VTuberについてご紹介していきます。

VTuberとは?

VTuberとは「バーチャルYouTuber」の略で、CGキャラクターを使った動画配信者のことを指します。

CGのキャラクター単体で活動するわけではなく「中の人」が存在し、その人物がキャラクターの動きや声を操ります。動作や表情はモーションキャプチャー技術を用いて人間からキャラクターに投影されるため、なめらかな表情や動きでキャラクターを動かすことが可能です。

キャラクターが自立しているかのような臨場感が味わえるところが、アニメなどとは異なる大きな特徴です。

仮想現実を構築する「VR」や現実世界を拡張する「AR」などの技術とも相性がいいため、VTuberの活動の幅はますます増えていくことが予想されます。

企業VTuberを導入するメリット

今注目のVTuberですが、実際に多くの企業がマーケティングのために導入し始めています。飲料メーカーのSUNTORYは「燦鳥ノム(さんとりのむ)」という人気公式VTuberを抱えていますし、パチスロメーカーや製薬会社、地方自治体でVTuberを導入している例もあります。

それでは、なぜ今企業VTuberがここまで注目されているのでしょうか。ここからは、企業VTuberを導入するメリットについてお伝えしていきます

①顔出し不要で低リスク

通常マーケティングを行う時は、影響力を持つ人物を起用することで、効率的かつ効果的に施策を打ち出せるようになります。しかし、有名な人を起用すればそれだけ効果が高まる反面、スキャンダルなどによってマーケティングが台無しになってしまうリスクがあります。

一方で、企業VTuberを起用すれば中の人は顔出し不要なため、スキャンダルのリスクは非常に少ないと言えます。表に出るのはCGキャラクターで中の人が誰かはわからないため、肖像権の問題も回避できるでしょう。

また中の人が退職する際も、VTuberであれば交代が可能です。完全に気づかれずに交代することは難しいですが、生身の人間のYouTuberが交代するよりは影響を少なく抑えられるでしょう。

②低コスト

VTuberによるマーケティングは低コストで行うことが可能で、制作費用と操作人員の費用だけで運用していくことが可能です。

自社でキャラクターを作成する場合は、簡易ソフトを使用すればほとんどコストがかかりません。本格的なキャラクターを専門性の高いツールで作成する場合は、高額な費用がかかってしまうケースもあります。

専門企業に制作を依頼する場合、キャラクター1体につき100~300万円が相場で、運用コストは人件費を含み月に30万円~50万円程度かかります。ただし、キャラクター操作やSNSの運用が自社で可能な場合は、その分コストが減らせます。

このようにVTuberであれば、従来のよりも低コストでマーケティングが可能となるのです。

③マーケティングにあった活用ができる応用力

自社のイメージに合う生身の人間を探すのは大変ですが、VTuberであれば自社ブランドにあったキャラクターを自由に作成することが可能です。イチからキャラクターを作り上げるため、既存のキャラクターや人物のイメージに左右されることなく、自社にあったマーケティング施策を打ち出せます。

また、YouTubeだけではなくSNSとの相性がいいのもVTuberの特徴です。近年はSNSによるインフルエンサーマーケティングが主流となっているため、SNSでのマーケティングにも活用しやすいVTuberの応用力の高さは、非常に大きなメリットだと言えます。

④スピード感のある運用が可能

VTuberのメリットとして、スピード感のある運用が可能な点も挙げられます。

自社オリジナルのVTuberを作成する場合、外部委託により運用する方法も可能ではありますが、中小企業であれば基本的に自社で行うことになるでしょう。そのため、生身の人間を使ったマーケティングとは違って、外部との連絡や意思疎通をせずとも全ての運用が社内で完結させることが可能なのです。

このようにVTuberの運用は、従来のマーケティングと比べて手軽でスピーディーに行えるという特徴があります。

また、VTuberはデジタルな存在であるため、一度撮影してしまえば簡単に量産できます。動画や写真などの宣材を短時間で作成可能なため、効率よくマーケティングをしたい企業にとっては非常にありがたい存在なのです。

⑤時代にあった働き方を実現可能

近年、新型コロナウイルスによるリモートワークの普及で、在宅勤務や勤務時間にとらわれない働き方が広まってきました。

VTuberの作成作業はほとんどがリモートワークが可能で、作業時間にとらわれる必要もありません。VTuberを操る人もサポートする人も在宅で作業できるため、これからの時代にあった働き方を実現しながら効果的なマーケティング施策が打ち出せます。

時代の変化にうまく対応しながら高クオリティなマーケティングが可能なのも、企業VTuberの大きなメリットです。

企業VTuber導入事例

それでは、企業はVTuberをどのようマーケティングに取り入れているのでしょうか。ここでは、企業VTuberの導入事例をご紹介していきます。

パチスロメーカー山佐「虹河ラキ」

企業が公式で作成した最初のVTuberが、この虹河ラキです。2018年2月に発表されたキャラクターで、2020年時点の登録者は5万人を突破、動画の総再生回数は200万回を超えるなど、企業VTuberの中でも注目されています。

パチンコやスロット関連の投稿が多いですが、歌やゲーム実況などの動画をアップすることもあり、企業の知名度アップに一役買っています。

ロート製薬「根羽清(ネバセイ)ココロ」

もともとVTuberでの活動をしていた女性が入社したことがきっかけで生まれたのが、ロート製薬の根羽清ココロです。2018年6月に活動開始しており、2020年現在は3万人弱の登録者数を誇っています。

こちらもプロモーション動画だけではなく歌やゲーム実況、雑談動画がアップされることも多く、ファン獲得や広報にうまく活用されています。

企業VTuberで効果的な動画マーケティングを

動画による情報発信がオーソドックスになってくるこれからのマーケティング。顔出しがネックでライブコマースなどを躊躇していた企業も、企業VTuberの導入でこういった問題を解決できるかもしれません。

従来のマーケティングの弱点を補うことが可能な、企業VTuberによるマーケティング。低リスク・低コストで効果的なマーケティングか可能となるため、これからの時代にあったマーケティングとして導入を検討してみてはいかがでしょうか。