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パーソナライズ
マス媒体と呼ばれる大衆向けアプローチ広告は、ターゲット設定がボヤけてしまい多額の広告費用がかかってしまいます。ですが、ウェブ媒体では自社のサービスや製品に興味のある層のみにターゲットを絞ってアプローチできるパーソナライズという機能を使えることが特徴です。
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ローカライズ
パーソナライズの一つに、ローカライズという機能があります。これは検索エンジンを使用しているユーザーの位置情報から、ユーザー毎に最適であろう検索結果を返すGoogleのアルゴリズムで「ヴェニスアップデート」と呼ばれています。2015年1月に実施されました。
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リターゲティング
リスティング広告(検索連動型広告)と合わせておこなう、リターゲティング広告というものがあります。ユーザーはサイトに入ってきたからと言って、すぐに購買を決定するケースはなかなかありません。そこで一度サイトを訪れたユーザーに対して再訪問を促す広告がリターゲティング広告です。
パーソナライズやローカライズと検索クエリの関係性
個々に最適化された検索結果を表示させる「パーソナライズ」や「ローカライズ」ですが、これはすべての検索ワードに適用されるわけではありません。
あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、まず「検索クエリ」について見ていきましょう。
検索クエリとは
検索クエリとは、ユーザーが検索エンジンを使用する際に入力した語句(単語、フレーズ)の事で、キーワードとは若干意味が異なるものです。
「キーワード」は検索エンジンと無関係な場合でも使用される言葉ですが、「検索クエリ」は「検索エンジンありき」で使用する言葉だということを、なんとなくでも良いので覚えておいてください。
「クエリ(query)」単体だと「質問」や「疑問」という意味になります。
検索クエリは3種類に大別されるので、それぞれの違いをまず理解することが重要です。
検索クエリは大きく分けて3タイプある
- ナビゲーショナルクエリ(案内型クエリ)
- トランザクショナルクエリ(取引型クエリ)
- インフォメーショナルクエリ(情報収集型クエリ)
この分類は、ユーザーが入力した検索クエリに対して「ユーザーの検索意図」を判断し、最適な検索結果を返すために分かれているものです。
それぞれ具体例を混ぜて見ていきましょう。
ナビゲーショナルクエリ(案内型クエリ)
案内型の検索クエリとは、特定のウェブサイトを見つけるために入力されたクエリだと判断されます。
ユーザーは明確な目的を持って検索しており、具体例としては下記のようなクエリを指します。
- Amazon
- ウィキペディア
- ドコモ 電話番号
- マクドナルド メニュー
- インスタ ログイン
など、ユーザーにとってゴールが明確で、特定のウェブサイトやウェブページに入りたい、という検索意図が見てとれるものです。
こういった案内型のクエリでは、検索結果がユーザー毎に変わることは少なく、SEO(検索エンジン最適化)に取り組む側においても、あまり重視される部分ではありません。
ただし、自社の社名や店名、ブランド名などが他社と同じ場合には、SEOの対象となります。
トランザクションクエリ(取引型クエリ)
取引型の検索クエリとは、購入意思や資料請求、視聴やダウンロードなどの意思が明確だと想定されるクエリを指します。
案内型クエリのように「ここのサイトに入りたい」という社名指定やサイト名の指定まではなく、下記のようなクエリが該当します。
- コーヒー 通販
- スマホケース iPhone
- 分譲マンション 資料請求
- 車検 格安
- 還暦祝い お酒
など、複合ワードが用いられることが多くなります。
上記の例だと「スマホケース」のみで検索される場合にも取引型クエリに分類されるのですが、こういったビッグワード単体の場合では、ユーザーの細かなニーズ(例の場合ではiPhoneのケースを探している)を満たすページを表示することが難しくなるため、検索に慣れている方ほど複合ワードを使用する傾向にあります。
また「還暦祝い お酒」の例の場合には「還暦祝いのお酒を購入したい」という検索意図は分かりますが、まだ購入決定の段階ではなく情報収集(どんなお酒が還暦祝いにベストなのか)の段階である可能性も高いため、次に説明するインフォメーショナルクエリ(情報収集型クエリ)にも該当することになります。
このように、検索クエリとして3タイプいずれかに重複するケースもありますが、少なくとも取引型クエリは「購買の意思が強い」可能性が高いため、商用サイトのSEOにおいてもっとも重視される検索クエリと言えるでしょう。
インフォメーショナルクエリ(情報収集型クエリ)
情報収集型の検索クエリとは、そのままの意味で情報を集めるために使用されるクエリです。
ウェブ検索を辞典のように活用し、疑問や悩みを解決するための情報を探しているというユーザーの意図が分かります。
- ニューヨーク 気温
- 鶏むね肉 レシピ
- 香典 相場
- 腰痛 原因
- マンガ おすすめ
など、検索ユーザーの意図は「情報が知りたい」ということが明確です。
この情報収集型クエリは、取引型クエリのように直接的に購買に至るものではありませんが、ユーザーの情報収集に正しい情報提供という形で貢献することで、サイトのブックマークやシェアに繋がることも多く、SEOの一環としてコンテンツマーケティングに取り組む際には、とても重要なクエリになります。
このような、ユーザーにとって有益なコンテンツを提供するウェブサイトを「オウンドメディア」と定義するケースが近年では増加しており、長期的にファンを増やしていくためには、取引型クエリよりも情報収集型クエリに力を入れてSEOをおこなうことが有効です。
ローカライズに影響する検索クエリ
上で挙げた検索クエリの例の一部に「地域名」を追加して検索するユーザーも多いのですが、地域名を指定していない場合でも、検索ユーザーの近くの店舗情報が検索結果の上位に表示されることがあります。
この機能追加が2015年1月に実施された「ヴェニスアップデート」で、特定のクエリの場合に「今いる近くのお店を探しているのでは?」とGoogleが判断し、検索結果に店舗情報とマップを表示したり、大型ポータルサイトの地域別ページを表示するケースもあります。
例えば「スターバックス」と検索した場合、これは案内型クエリに該当し、スタバの公式サイトが1位に表示されますが、少しスクロールすると近くのスタバの店舗情報がズラズラと並びます。
他にも取引型クエリの例で挙げた「車検 格安」でも、リスティング広告を除いたオーガニック検索結果には、検索ユーザーの近くの車検を扱っているお店の情報が並ぶことが分かるでしょう。
このローカライズ機能は、情報収集型クエリの場合にはほぼ適用されることがないため、全国規模で事業をおこなっている会社ほど前述のオウンドメディア運営に力を入れています。
ただし、地域密着型のビジネスであったとしても、サイト全体の評価を高めるためには、情報収集型クエリに応えるコンテンツを用意することはとても重要です。
検索クエリを調べるには、Search Console を使用しましょう
様々な検索クエリをご紹介しましたが、実際にユーザーが検索しているクエリは、Googleが無償で提供している「Search Console」というツールで調べることが可能です。
Search Consoleの初期設定は、サイトの所有者確認が必要で、初心者の方は少しつまずく部分もあるかもしれませんが、設定方法を調べてみて自身で出来そうであれば是非導入してみてください。
設定が難しい場合には、弊社にお問い合わせいただければ代行作業も可能です。
リターゲティングとは
ここまでは検索クエリ別のパーソナライズやローカライズに関して説明しましたが、ウェブ媒体ならではのパーソナルアプローチ手法として「リターゲティング広告」というものがあります。
検索クエリを理解しSEOに取り組んでも、成約や問い合わせなどのコンバージョンを生まないまま離脱するユーザーは大変多く存在します。
せっかくサイトにアクセスしてきてくれたユーザーに対して、なんらかの方法で再度アプローチできないか? という、まさに執念とも言える考え方から考案されたのが、リターゲティング広告です。
様々なウェブサイトを巡回している方なら経験があるかと思いますが、以前に訪れたウェブサイトの広告が、他のサイトで表示されているのを見たことがあるのではないでしょうか。
この仕組みは「Cookie(クッキー)」と呼ばれる「サイトに訪問したユーザー情報を記録・保存し、次回に利用する技術」を使用して、ユーザーの行動を追跡し、他のサイト上の広告枠を利用して再訪問を促す広告を表示するものです。
一度サイトに訪れたユーザーを「見込み客」と見なし、再訪問を促すことは「ユーザーに思い出してもらう」という意味では大変有効な広告と言えます。
ただし、検索時とは異なり、ユーザー自身が「今欲しい情報」ではない場合には、しつこく何度も表示されるリターゲティング広告は嫌われることもあります。
また、リターゲティング広告をおこなうには、それなりの広告予算も必要になるため「こういった広告手法もあるんだなぁ」という程度で知っておくと良いでしょう。
まだまだあるパーソナルアプローチ
SNS広告
FacebookやInstagram、Twitter等のSNSにおいても、表示される広告はパーソナライズされています。
SNSのユーザーアカウント毎に、興味・関心のある広告を表示させるもので、こちらは比較的安価にスタートできるため、自社の業種やターゲット層に合わせて最適なSNSを選んで広告を出稿してみると良いでしょう。
メールマガジン
メルマガと聞くと古い広告手法のように感じる方もおられるかもしれませんが、手当たり次第一斉に送りつけるメルマガではなく、見込み度の高い特定ユーザーにだけメールを配信できるシステムがあります。
こういった手法では、メールマーケティングはまだまだ十分有効なパーソナルアプローチと言えるでしょう。
ウェブ接客ツール
サイトに訪問中のユーザーに対して、リアルタイムで「困ったことはありませんか?」というようにチャットで話しかけることが出来るツールです。
訪問中のユーザーの行動を止めてしまう恐れがあることと、アクセスの多いサイトでないと運用コストがかさむことから、まだまだ導入しているサイトは少ない印象です。
マーケティングオートメーション(MA)
近年では多くのIT企業やマーケティング会社がMAの導入を推進しています。
ただし、こちらも運用の難しさやコストの観点から、導入している企業は一握りの大きな会社に限られている印象です。
出来ることから始めよう
ウェブマーケティングには、マスマーケティングでは出来ない様々なパーソナルアプローチ手法があることをご紹介しました。
低コストで始められるものから、多くの予算が必要なものまで幅広くありますが、自社のリソースに合わせて出来ることから始めてみてはいかがでしょうか。
「流行っている」という理由だけで無理に導入しても、うまく活用できないケースも多々ありますので、導入前には再確認の意味も含めて是非一度ご相談ください。