VTuberは2Dと3Dどちらがいいの?メリット・デメリットと必要な機材を解説

VTuberは2Dと3Dどちらがいいの?メリット・デメリットと必要な機材を解説

近年YouTube投稿や企業の動画マーケティングに活用されているVTuberには、2Dと3Dの2種類のモデルが存在します。VTuberを始めるときに「2Dと3Dのどちらがいいか」と迷う人は多く、なかには違いが理解できないという方もいるかもしれません。

今回は、VTuberの2Dと3Dの違いについて解説していきます。

VTuberの2Dモデルとは

そもそも2Dとは、縦と横しかない平面の世界である「2次元」のことを指します。つまり2DモデルのVTuberは、イラストを加工して平面のまま動かすモデルのことを指しています。

平面のイラストを加工することで動いているように見せることは可能ですが、横向きの映像や後ろを振り返る動きの映像を撮影することが難しい点が特徴です。

2DモデルVTuberのメリット・デメリット

それでは、2DモデルのVTuberにはどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。2DモデルVTuberの特徴についてみていきましょう。

2DモデルVTuberのメリット

  • とにかく低コストでハードルが低い
  • 動かすまでは簡単
  • 高いスペックのパソコンが不要

2DモデルのVTuberを始める場合、そこそこのスペックのパソコンであれば作業可能ですし、莫大な知識やスキルを必要としません。ソフトのチュートリアルをなぞっていけば、2~3日程度で基本的な動きを取得することができます。ただし、クオリティを上げるためには、それなりに時間は必要となります。

パソコンとWebカメラがあれば始められるため、コストも数千円程度に抑えることが可能です。Web会議のアバターとして活用することも可能なので、リモートワークの普及を機に2Dモデルのアバター作成にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

とにかく手軽に始めたいという方は、2DモデルのVTuberから始めてみましょう。

2DモデルVTuberのデメリット

  • 立体的な動きができない
  • 足や腕、髪の毛の動きが難しい
  • ジャンルが限られる

2Dモデルのデメリットは、なんといっても立体的な動きに向いていないという点。横を向いたり自由に動かしたりしたい場合は、3Dモデルの方がいいでしょう。

また足や腕、髪の毛を自由に動かすのも難しいです。ボタンやキー操作でキャラクターを動かすことは簡単ですが、モーションキャプチャーなどで自分の動きと連動させたい場合は、高い費用と技術を必要とします。

2Dモデルは、ゲーム実況やトーク配信などの動きのない動画であればそこまで不便を感じることはありません。しかし、音楽配信などの動きを表現したい動画では、物足りない仕上がりになってしまうでしょう。

2DモデルVTuberの制作に必要なもの

  • ペイントソフト(キャラクターを自作する場合)
  • キャラクターを動かすためのソフト
  • パソコン
  • Webカメラ
  • マイク

2DVTuberになるためには、まず自身のキャラクターとなるイラストを準備する必要があります。キャラクターを動かすソフトにいくつかデザインが搭載されていることもありますが、オリジナリティを出したい場合はイチからイラストを制作した方がいいでしょう。イラストを制作する際はあとから編集ができるように、PSD出力に対応しているペイントソフトを使用します。

キャラクターの3Dモデルを作成するソフトとしては、Live2Dが有名です。2D表現が基本ですが、原画を変形させることによって多少立体的な表現も可能となっています。Live2Dで作ったキャラクターを動かすにはFaceRigというソフトが必要となるため、そちらも用意しておきましょう。

パソコンやWebカメラ、マイクが必要ですが、ライトなものだとスマートフォン用アプリで配信を行うことも可能です。無料のVTuberアプリもあるため、費用をかけずにVTuberデビューすることもできるでしょう。

VTuberの3Dモデルとは

3Dは、縦と横の世界に奥行きをプラスした「3次元」の世界を指します。私達が生活している世界はこの3次元で、VTuberの世界においても、イラストを立体化させたモデルのことを指しています。

立体モデルなので、横を向いたり後ろを振り向いたりする動きも撮影可能です。

3DモデルVTuberのメリット・デメリット

ここからは、立体的な表現ができる3DモデルのVTuberのメリット・デメリットについてみていきましょう。

3DモデルVTuberのメリット

  • 表現が多彩
  • 歌ってみたや踊ってみた動画に最適

3Dモデルのメリットは、やはり立体表現が可能な点です。腕を動かしたり体をぐるっとひねったりできるので、歌ってみたや踊ってみたなど音楽系の動画との相性が非常にいいです。

臨場感のある動きにくわえ、VR空間にキャラクターを出現させることもできます。とにかく臨場感のある表現をしたい場合は、3Dモデルのほうが適しているでしょう。

3DモデルVTuberのデメリット

  • 制作が難しい
  • コストがかかる
  • 撮影用の空間が必要

3Dモデルを制作する場合は、対応したイラストの制作や3Dモデルを作るソフトの操作、CPUを落とさなたいためのハイスペックなパソコンなどが必要となります。技術的な面はもちろんのこと、コストの面からみても個人が制作するのはなかなか難しいでしょう。

また、キャラクターを自由に動かすには、実際に生身の人間が動いている様子を撮影する必要があります。空間を自由に動くとなるとそれなりに空間が必要となり、専用の部屋を用意する必要が出てきます。個人の自宅で動きのある撮影をすることは難しく、撮影専用の空間を確保しているVTuberも多いです。

3DモデルVTuberの制作に必要なもの

  • ペイントソフト(キャラクターを自作する場合)
  • 3D制作ソフト
  • AzureKinectや赤外線センサー、トラッカーなど
  • Core i7以上のパソコン
  • Webカメラ
  • マイク

3Dモデルの制作も2D同様、イラストの準備から始めていきます。イラストが準備できたらパーツごとにアニメーションを付けていき、3Dモデルにしていきます。「VRoid Studio」や「Blender」といったソフトであれば、無料で3Dキャラクターを制作可能です。

キャラクターが制作できたら、実際に動きをつけていきます。キャラクターを動かす時はAzureKinectや赤外線センサー、トラッカーなどを利用し、表情を動かしたいときはFaceRigなどを利用していきます。

また制作をスムーズに進めるために、スペックの高いパソコンは欠かせません。3DモデルならCore i7以上が必須で、CPUは極力落とさないことが基本となります。

環境やスキルに合わせて2D・3Dを選ぼう

手軽さの2Dと多彩な表現の3D。それぞれにメリット・デメリットがあり、ご自身や企業の環境・予算に合わせてVTuberのモデルを選択することが大切になってきます。

現在2Dの人気VTuberも多く、「2Dだから人気が出ない」「3Dだから有利になる」と、モデルが人気を大きく左右することはそこまでありません。まずは2Dからはじめ、そこから3Dに移行することも可能です。

これからますます活躍が予想されるVTuber、ぜひチャレンジしてみてくださいね。