最近、初めてのお店を予約したり、仕事を頼む会社を探したりしたときのことを、少し思い出してみてください。そのお店や会社を最初に知ったのは、どこだったでしょうか。知ってすぐに連絡しましたか。それとも、ほかにも何か調べたでしょうか。
「ホームページから問い合わせが来た」と聞くと、検索でサイトを見つけ、そのまま連絡してくれたように思えるかもしれません。けれど、自分が選ぶ側だったときの行動をたどると、その前にもいくつかのきっかけや確認があったのではないでしょうか。
自分なら、どうやって選んでいるだろう
例えば、次のような選び方が考えられます。ご自身の行動と重なるところはありませんか。
SNSで料理を見て、数日後にお店の名前を検索する
SNSでおいしそうな料理の写真を見つけ、投稿を保存する。その日は予約せず、週末に家族と食事をする話になってから見返します。
お店の名前を検索し、場所やメニューを確認する。子どもも一緒に入れそうか、駐車場はあるかを調べて、家族にページを送る。予定が合いそうなら、空席を問い合わせる。
この例では、最初のきっかけは料理の写真ですが、予約を決めるまでには、場所や利用条件、家族の都合も関わっています。写真を見たときと、電話をかける直前では、知りたいことが変わっています。
知人に紹介されてから、自分の頼みたい仕事に合うか確かめる
知人に「庭の手入れを頼むなら、この会社がよかったよ」と教えてもらう。紹介された会社の名前を検索し、作業の写真や対応地域を見ます。
知人は庭全体の手入れを頼んでいても、自分がお願いしたいのは伸びすぎた木一本だけかもしれません。「このくらいの仕事でも頼めるだろうか」と思いながら、サービスの説明や料金の目安を探す。相談できそうだと分かって、初めて連絡します。
会社を知るきっかけは紹介でも、その紹介だけですべての疑問が解消するとは限りません。自分の条件でも頼めるかを、もう一度確かめることがあります。
困りごとを検索し、解説を読んでから社内で相談する
事務所のエアコンの効きが悪くなり、担当者が原因を検索する。見つけた会社の解説を読み、清掃で済む場合と、修理の相談が必要な場合を知ります。
すぐに依頼を決める権限はないので、対応地域や作業内容を確認し、上司にページを送る。営業中に作業できるのか、見積もりに何が必要かを確かめてから、候補の会社へ連絡する。
この場合、最初に記事を見つける人と、依頼を決める人が違います。担当者自身が納得するだけでなく、社内で説明できる情報も必要になります。
知った場所と、連絡を決めた理由は同じとは限らない
こうした、商品や会社を知ってから、調べたり迷ったりして購入・利用へ進む道のりを「カスタマージャーニー」と呼ぶことがあります。
先ほどの飲食店の例なら、知った場所はSNS、後日サイトへ来た経路は検索です。予約を決めた理由には、料理の魅力だけでなく、家族で利用しやすいことも含まれるでしょう。「検索から予約が入った」という最後の動きだけでは、そこまでの経緯は分かりません。
ホームページへの訪問を、検索・広告・SNSなどに分けて見る方法は、集客チャネルと参照元の違いで説明しています。その記録と併せて、サイトへ来る前のきっかけや、連絡するまでに確かめたことも考えてみます。
読んだその日に連絡する人ばかりでもありません。一度ページを閉じて家族に相談したり、仕事の予定が決まってから見直したりすることもあります。一回の訪問で問い合わせがなかったというだけでは、候補から外れたのか、まだ検討中なのかは判断できません。
御社に置き換えるなら、どこで迷いそうか
自分が選んだときの行動を思い出したら、今度は御社のお客さまに置き換えてみます。最初からあらゆる経路を考えようとせず、よく受ける仕事を一つ選ぶと具体的になります。
例えば「知人から紹介され、庭木一本の剪定を頼みたい人」なら、次のように整理できます。
| お客さまの行動 | そのとき確かめたいこと | 自社で確認する案内 |
|---|---|---|
| 紹介された会社名を検索する | 教えてもらった会社はここか | 会社名・所在地・連絡先が分かるか |
| 作業内容や写真を見る | 木一本でも頼めるか、自宅まで来てもらえるか | 受け付ける仕事の範囲や対応地域が載っているか |
| 家族に相談する | 費用はどのくらいで、いつ頼めそうか | 料金の目安や、日程を相談する方法が分かるか |
| 問い合わせようとする | 何を伝えれば話が進むか | 相談時に必要な情報と連絡方法が分かるか |
「木一本でも大丈夫ですか」と電話でよく聞かれるなら、その説明を作業内容のページに足せそうです。紹介された会社か確認しにくいなら、会社名や所在地の案内を見直す必要があるかもしれません。
掲載する情報の整理には、内容・条件・頼み方からホームページを確認する方法も使えます。ページに書いた条件と実際の対応をそろえる大切さは、依頼先を探したときの体験をもとにした記事で扱っています。
想像した道のりを、実際の相談で確かめる
自分の経験は考え始めるきっかけになりますが、お客さまも同じように動くとは限りません。表に書いたことを、すぐに「うちのお客さまはこうだ」と決めないようにします。
普段の相談で自然に聞けるときに、「最初は何をご覧になりましたか」「連絡する前に、分かりにくかったことはありましたか」と尋ねてみます。すべての方に細かく聞く必要はありません。実際に聞けたことと、こちらの想像を分けて残すだけでも、次に確認する点が見えてきます。
最近の問い合わせを一件思い出してみてください。その方は、御社を知ってから連絡するまでに、どこで何を確かめていたのでしょうか。途中で探していた情報が分かったら、まずはその説明を、必要になる場所へ一つ足してみてください。