報告書に「今月のアクセス数は1,000」と書かれていても、それだけでは、何を1,000回数えたのか分かりません。来た人なのか、訪問なのか、ページの表示なのか。改善の話をする前に、数字の単位をそろえておくと、認識のずれを減らせます。
人・訪問・ページの表示を分ける
基本になるのは、次の三つの見方です。
| 指標 | 数えているもの |
|---|---|
| ユーザー数 | 一定期間に、利用者として識別された数。実際の人数と完全に一致するとは限らない |
| セッション数 | 一連の閲覧や操作を、ひとまとまりの訪問として数えた数 |
| ページビュー数(PV) | ページが表示された回数。同じページを再び表示した分も含む |
店舗に例えるなら、何人のお客さまが来たか、何回来店したか、延べ何回売り場を見たかの違いです。一人が何度も来店し、複数の売り場を回れば、三つの数字は異なります。
PVはページを表示した回数であり、内容を最後まで読んだ回数ではありません。Google アナリティクス4(GA4)の「表示回数」はページとアプリ画面の表示を含む指標なので、アプリのデータもある場合は、Webだけを見ているかも確認します。Google公式の指標の説明
一人が二度来て、五ページ分表示した例
同じ利用者として識別される人が、次のようにサイトを見たと仮定します。ページの計測漏れや重複がなく、それぞれの閲覧が別のセッションとして記録される場合です。
- 月曜日に、サービス紹介、料金、会社案内を一回ずつ表示した。
- 木曜日に、料金と問い合わせページを一回ずつ表示した。
この例なら、利用者は一人、セッションは二回、ページビューは五回です。料金ページは二度表示されていますが、それによって利用者が二人になるわけではありません。
セッションをどこで区切るかは、ツールや設定に従います。GA4にも操作がない時間による終了などの条件があるため、「ブラウザーを開いた回数」と単純に同じとは扱いません。Google公式のセッションの説明
ユーザー数は、名簿の人数とは違う
解析ツールは、来た人の顔や名簿と照合して人数を数えているわけではありません。同じ人がスマートフォンと会社のパソコンを使えば、識別方法によっては別の利用者として数えられます。計測への同意やブラウザーの設定などによって、取得できる情報も変わります。
また、GA4には総ユーザー数やアクティブユーザー数など、条件の違う指標があります。報告書に「ユーザー」と書かれていても、どの指標を使っているかを確認します。Google公式のユーザー指標の説明
数字に限界があるから役立たない、ということではありません。同じ条件で推移を追う材料として使い、実人数と断定した説明や、条件の違う数値同士の比較を避けます。
何が増えたかで、次に見るところが変わる
利用者として識別された数が増えたなら、新しい人に届いたのか、計測方法が変わっていないかを確認します。セッションが増えたなら、再訪を含め、どの経路から訪問が生まれたかを見ます。
その経路を調べるときに使う分類は、集客チャネルと参照元の読み方で整理しています。
PVだけが増えた場合は、一人が多くのページを見た可能性があります。ただし、関心が深まった場合も、必要な情報を探して行き来している場合も考えられます。表示回数の増加だけで、サイトが使いやすくなったとは言えません。
ページを作り直した直後に急増したなら、計測が二重に動いていないかも確認したいところです。数字の変化を施策の成果と結びつける前に、比べられるデータかを確かめます。
報告書には、数字と一緒に単位と条件を残す
「今月は1,000アクセス」より、「今月のWebの表示回数は1,000回」のほうが、何を見ているかが伝わります。併せて、対象期間、対象サイト、指標名、除外しているアクセスなどをそろえます。
最初からすべての指標を追う必要はありません。訪問の規模を知りたいのか、何度も検討されているかを見たいのか、よく見られるページを知りたいのか。問いに合う数字を選び、その先の相談や依頼の状況と合わせて読むことが、アクセス解析を仕事に使う出発点です。
数字と実際の仕事を結び付けて振り返る方法は、ホームページの成果をアクセス数以外から見る記事へ続きます。