ホームページの報告書に「先月よりアクセスが増えました」と書かれていても、問い合わせや売上の実感がなければ、良かったのか判断しにくいものです。見られる機会が増えたことは一つの変化ですが、その先でどんな相談が生まれたかも確かめたいところです。
来店人数と、見積もりを頼んだ人数を分ける
例えば、家具を作る店を考えてみます。店に入った人が増えても、商品を眺めて帰る人ばかりなら、注文が増えたとは言えません。一方、来店人数は少なくても、具体的な寸法を持参して見積もりを頼む人が増えれば、仕事につながる変化かもしれません。
ホームページでも、「見られた」「相談された」「見積もりを出した」「注文を受けた」を分けて考えます。最初から難しい指標をそろえる必要はありません。まず、自社がホームページに期待していることを一つ決めます。
新しい取引先からの相談を増やしたいのか。紹介された相手に仕事内容を理解してもらいたいのか。採用の応募前に働き方を伝えたいのか。目的が違えば、確認する内容も変わります。
報告書の「アクセス数」が何を数えているか曖昧なら、ユーザー数・セッション数・PVの違いを確認して、比較する単位をそろえます。
問い合わせの件数と、中身を残す
新規の相談を増やしたい場合、月ごとに次の内容を簡単に記録すると、アクセス数との関係を考えやすくなります。
- 仕事の相談は何件あったか。営業メールや同じ人からの再連絡は分ける。
- 自社で受けられる仕事内容・地域・条件だったか。
- 見積もりや打ち合わせへ進んだか。
- 受注したか、検討中か、見送ったか。理由が分かれば短く残す。
電話や紹介経由の相談も、分かる範囲で含めます。普段の会話で「何をご覧になりましたか」と確認できれば、「紹介された後にホームページを見た」といった経緯も残せます。ただし、相手が思い出せないことまで詳しく聞き出す必要はありません。
フォームの件数だけを見ると、サイトを読んで電話した相談が抜けます。反対に、営業の売り込みまで数えると、仕事の相談が増えたように見えてしまいます。毎月同じ数え方を使うことが、比較の土台になります。
件数が少ないときは、割合だけで急いで判断しない
仮に、ある月の相談が2件で、翌月が4件だったとします。「2倍」と言えますが、増えたのは2件です。その2件が継続して起きる変化なのか、たまたま重なったのかは、これだけでは分かりません。
数か月の推移と相談の内容を併せて見ます。繁忙期がある仕事なら季節の違いも考えます。サイトを直した直後に相談が増えても、紹介や展示会など、同じ時期の別の動きが影響している可能性があります。
また、今月の相談が来月以降の受注になる仕事もあります。「今月の受注数÷今月の相談数」では、別の案件を混ぜてしまうことがあります。相談ごとにその後の経過を追うか、未決定の案件を区別して集計すると、読み違いを減らせます。
数字の変化から、直す場所を絞る
相談が増えても、対応地域外の依頼ばかりなら、対応エリアの説明を見直す余地があります。見積もりの前に料金の認識が食い違うなら、価格の目安や追加費用の条件が十分に伝わっていないかもしれません。
アクセスがあるのに相談がない場合も、すぐにデザイン全体の問題と決める必要はありません。読まれているページは何か、相談方法が見つかるか、フォームは使えるか。まず、確認できるところから絞ります。
依頼条件や相談方法の不足を調べるときは、選びにくいホームページの「内容・条件・頼み方」の確認を手がかりにできます。
数字を記録する目的は、報告書を立派にすることではありません。「今月は対応エリアの説明を直し、次の相談で行き違いが減ったか確かめる」と、次の作業を決めるためです。最初の一歩として、直近の相談を数件振り返り、受けられた仕事と、条件が合わなかった仕事を分けてみてください。