SEO対策とコンテンツマーケティングは似て非なるもの

SEO対策とコンテンツマーケティングのシナジー

そもそも「SEO対策」という言葉はおかしい?

SEO対策」という言葉は、Webサイトの運用をしている方なら一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

SEOとは、Search Engine Optimization のイニシャルを取ったもので、日本語では「検索エンジン最適化」という意味です。
検索エンジンに自社サイトができるだけ上位表示されるように、Webサイトを最適化していく手法の事です。

私は常々感じているのですが、「最適化」なのか「対策」なのか、どっちなんだ?と。
SEOが検索エンジン最適化ですから、SEO対策は「検索エンジン最適化対策」という、おかしな言葉になってしまいます。
細かいお話しのように感じるかもしれませんが、対策という言葉を使うのであれば「検索エンジン対策」が妥当でしょう。
そして、SEOは「対策するもの」ではなく「最適化するもの」と捉えた方が、SEOへの理解は必ず深まります。

SEOを知るには検索エンジンを知ることが大切

検索エンジンに対して最適化されたWebサイトを公開することで、SEOの目的である「上位表示」が可能になるわけですが、そのためにはまず「検索エンジン」というものを正しく理解する必要があります。

あなたは検索エンジンと聞いて、真っ先に何を思い浮かべるでしょうか?
それは、Googleでしょうか? それともYahoo!でしょうか? はたまたマニアックなBingでしょうか?

どの検索エンジンを使用するのかは、もちろん個人の自由なのですが、SEO業界では検索エンジン=Googleを指していることがほとんどです。
それにはきちんと理由があり、これを知るには検索エンジンそのものの歴史を知る必要が出てきます。

この歴史を書いていくと、ひとつのコンテンツが出来上がってしまうほど長文になってしまうので、ここでは簡潔にお伝えします。
日本でよく使われる検索エンジンは「Googleが約96%のシェアを持っている」ということです。

「Yahoo!をよく使っているよ」という方であっても気にしないでください。
(Yahoo!の検索エンジンは、Googleの検索エンジンを使用しています)

つまり、SEOをおこなう上で重要になるのが、Googleの検索エンジンを知ることから始まります。
そこで、Googleの基本的な考え方である「ユーザーファースト」の意味を見ていきましょう。

ユーザーファーストと検索体験最適化(SXO)

ユーザーとは、検索エンジンを利用している人を指します。
つまり、ユーザーファーストのSEOというのは「ユーザーが検索時に使用している言葉に対して、最適な答えを返す」という事になります。

検索エンジンは、あくまでユーザーが情報を得るための道具でしかありません。
自身が欲しい情報が見つかるまで、何ページも情報を探していくのは面倒でもあります。
欲しい情報が見つからない場合には、検索キーワードを変えて再検索することもあるでしょう。

逆に、1位や2位に表示されているサイトで、欲しい情報が見つかれば、ユーザーの「情報が知りたい」というニーズは満たされることになります。
さらに、ユーザーが検索したキーワードについての言及だけでなく、関連情報の提示やユーザーにとって操作しやすいレイアウト、メリットのあるコンテンツを提供することが「検索体験の最適化」に繋がります。

SEOはあくまで検索エンジンのアルゴリズムに対して最適なコンテンツを用意するものであり、検索体験の最適化とは「Search Experience Optimization」ということになります。
Experience=体験は、イニシャルのEではなく「X」で表記されることが多く、UX(ユーザー体験)といった言葉もよく使われます。
つまり、検索体験の最適化=SXOとなるわけです。

検索体験の最適化やユーザーファーストの考え方が、なによりのSEOである

欲しい情報がすぐに見つかる検索エンジンと、欲しい情報がなかなか見つからない検索エンジン。
あなたなら、どちらの検索エンジンを使用しますか?

天邪鬼な方はさておき、一般的には精度の高いものほど好まれるでしょう。
つまりGoogleが日々おこなっていることは、ユーザーが使用する検索キーワードに対して、最適な答えを返しているであろうサイトを検索結果の上位に表示させ、実際にそのサイト(およびページ)へアクセスしているユーザーの動きを分析し、他のサイトとの比較をして評価付けをしている事になります。

検索エンジンのアルゴリズムはブラックボックス化されており、その全容を知ることは叶いませんが、GoogleがWebサイトを評価する際のランキングシグナルは200を超えると言われています。
もちろん全てのシグナルを満たすとなると、とてつもない時間や手間がかかるため、その中でも特に重視しなければならないポイントに絞ってSEOの施策をおこなうケースがほとんどです。

そして、SEOとSXOの両方を満たすマーケティング手法を「コンテンツマーケティング」や「コンテンツSEO」と呼びます。

コンテンツマーケティングとSEOはシナジーを生むもの

SEOで結果を出し、上位表示を果たすことが出来たとしても、それだけでは自己満足のレベルで終わってしまい決してマーケティングとは呼べません。
マーケティングとは、突き詰めてしまうと「売上を上げること」です。
コンテンツマーケティングの詳細は別ページをご覧ください。

ですが、どれだけ良いコンテンツを作ったとしても、それが売上に直結するかどうかは分かりません。
マーケティングの基本でもある「3C分析が欠けている」とか「USPがない」とか要因はさまざまですが、SEOの目的は「露出を高める」ことです。

これは分かりやすく言えば「人の集まる一等地にお店を出すか」「ほぼ人の通らない山奥にお店を出すか」の違いです。
山奥のお店は必ず失敗するという意味ではありませんが「人目につくかどうか」「知ってもらうことが出来るか」という点においては、やはり目出つ場所にお店がある方が有利でしょう。

「なぜSEOに取り組んで上位表示を狙うか」という理由でも、やはり他社のサイトよりも自社のサイトを目出つ位置に押し上げるためです。
SEOだけがWebマーケティングの全てでないことは確かですが、この記事をここまで読んでくださっている方の中で、上位より下位を好む方はまずいないと思います。

卵が先か鶏が先か、というお話しに近くなるかもしれませんが「ユーザーを集める=露出を高める」ことがSEOであり、その集めたユーザーに対して良いアクション(問い合わせ、来店、シェア、ブックマーク等)を起こしてもらうことがコンテンツマーケティングの考え方になります。
これも広告や広報における相乗効果なのです。

自社で取り組むインハウスSEOか、専門家への完全アウトソースか

近年のWebマーケティングにかかる費用は高騰を続けており、リスティング広告(検索連動型広告)のクリック単価でも業種によっては手が出せないようなものも存在します。
Web担当者という言葉が、どれだけ一般企業に浸透しているのかは分かりませんが、SEOを外注せずに自社で取り組むことを「インハウスSEO」と呼びます。

インハウスSEOのメリットは、外注よりも費用を抑えられることですが、成果が出なければ人件費や時間というムダなコストが発生して終わってしまいます。
SEO会社によっては、インハウスSEOをオススメしていない会社も多く、オススメできない理由が「正しいやり方を知らずに取り組んでも成果が出ない」からです。

弊社ではお客様のご予算や担当される方のやる気に応じて、インハウスSEOをオススメすることがありますし、SEOのアドバイスをおこなう業務をSEOコンサルティングと呼んでいます。
これまで蓄積したSEOのノウハウを、状況に応じて時間をかけてお伝えしていくわけですが、インハウスSEOの最大のメリットは長期で見たときにSEOの知識だけでなく、アクセス解析やABテストの結果までが自社の資産になることです。

WordPress等のCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)が主流になる前のWebサイトでは、SEOを自社でおこなうというのは極めて珍しいケースでしたが、現代ではオウンドメディアの運営を内製化している企業も増えているため、外注費を抑えてSEOに取り組みたい場合には向いていると言えるでしょう。
ただし、SEOを専任でおこなう担当者が退職してしまうと台無しになってしまうケースもあるため、そのあたりも考慮してご判断ください。

まとめ

● SEO=検索エンジン最適化の意味を理解しましょう。
● 検索エンジン(Google)の仕組み(アルゴリズム)を理解しましょう。
● 検索エンジンを使用するユーザーに焦点をあてましょう。(キーワード調査等)
● 上記を踏まえてコンテンツマーケティングに取り組みましょう。
● 自社の状況・競合となるサイトを分析して、最適なSEOやSXOを実施しましょう。

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