近年のホームページ制作時には「CMS」という言葉がよく出てきます。
Web制作会社によっては、CMSとは言わずに「WordPress(ワードプレス)」と言うこともあります。
では、CMSとは何か、WordPressとは何か、メリットやデメリットをふまえて見ていきましょう。
コンテンツ
CMSとは?
Web業界では、英字3つの略語がよく出てきます。
CMSも同様で、Contents Management System の略語です。
コンテンツ・マネジメント・システムって聞いてもよく解らないって人のために、詳しく書いてみます。
コンテンツとは
ここでいうコンテンツとは、サイト内で発信する情報のことを指します。
情報はテキストである場合もあれば、画像や動画、マンガ、音楽なんていうケースもあります。
要はなんでもアリなんですが、Webサイトの場合なら「サイトの内容」ってことですね。
漫画を1冊でもお持ちなら、最初の目次ページを見てみてください。
きっと「CONTENTS」と書いています。
マネジメントとは
日本語だと「管理」になります。
ビジネス用語だと、経営管理全般を指す場合もあります。
タイムマネジメントは時間管理とも言いますね。
マネージャーが管理をする人、と例えると分かりやすいでしょうか。
システムとは
システムを日本語で説明すると、とてもややこしくなります。
Wikipediaでは以下のように説明されています。
システム(system)は、相互に影響を及ぼしあう要素から構成される、まとまりや仕組みの全体。
引用元:Wikipedia「システム(system)」
簡単に言うと「仕組み」ってことですかね。
つまりCMSは、サイトの中身を管理する仕組みのことです
システムというぐらいですから、実は中身は結構複雑に作られています。
ですが、その複雑な部分をあまり表には出さず、コンテンツを管理しやすいようにする仕組みがCMSだと覚えておいてください。
CMSを、さらに解りやすく
さてさて、ここからはCMSの種類のお話しへと変わります。
例えば「自動車」とひとことで言っても、その種類や使用用途は多種多様ですよね。
コストを抑えて移動さえ出来ればいいやーって考えなら、軽自動車で十分に目的は果たせます。
車へブランド価値を感じている人なら高級車を選ぶ可能性も高くなります。
他にも目的に応じて、4WDじゃないとダメ!とか、7人乗りじゃないとダメ!とか、用途に合わせて選ぶこともあるでしょう。
つまり、CMSも「目的や用途」に合わせて選ぶ必要があるということです。
では、代表的なCMSには、どんなものがあるのでしょうか。
CMSの世界シェアNo.1を誇るのは「WordPress」
WordPress(ワードプレス)というのは、数あるCMSのひとつで、全世界のWebサイトの約32%で使用されています。
しかも、WordPress自体は無料で使えるというスグレモノ。
ただし、WordPressはサーバーにインストールして使うタイプのCMSなので、サーバー代や独自ドメインといった最低限の費用は必要です。
サーバーってなんじゃらほいって方は、サイトを置くための「土地」みたいなものだと思っておいてください。
エンジニアでもなければ、それ以上詳しく知る必要はあまりないでしょう。
気になる方は、Wikipediaの説明を読んでみましょう。気にならない方はスルーで(笑)
Wikipedia:サーバ(サーバー)
WordPressはサーバーインストール型のCMS
簡単に言うと、有料で借りた土地(レンタルサーバー)に、WordPressという家を設置して使うタイプのCMSです。
WordPressの構築には、データベースの設置や、WordPress本体の最適な設定をすることが商用サイトには求められます。
趣味の個人サイトなら設定がテキトーでも問題はないかもしれませんが、商用サイトであるならば「最適な設定」は絶対に外せない部分です。
このあたりが知識不足によるWordPressの導入をためらってしまう心理障壁の一つとも言えるでしょう。
他にもあるよ、無料CMS
WordPress以外でも、日本でそこそこ有名なものは、Wix(ウィックス)やJimdo(ジンドゥー)とかですね。
ただ、WordPressとは決定的に違う部分があるので注意が必要です。
表現が誇張されすぎている
WixやJimdoは、Webを徘徊していると、時々広告を見かけます。
つまり「お金をかけて宣伝をしている」ということです。
その広告の内容は「知識がなくても自分で作れる無料本格ホームページ」といった感じで、とにかく簡単だよ~無料だよ~って部分を強調してます。
あとは「本格」って部分もよく強調されてますね。
でもよく考えてくださいね。
「無料」なのに「宣伝費をかけられる」ってことは、どこかでマネタイズ(収益化)しているという事になります。
ざっくり言っちゃうと「有料プランもある」ってことです。
賢明な読者の方ならお気づきでしょうが、無料はエサでしかありません。
WixやJimdoの有料プランの価値は?本当に本格サイトが作れるの?
じゃあ、この有料プランにお金を払う価値があるか?ってことですが、自身の持ちたいホームページに何を求めているのか?によって変わります。
長々とここで話すつもりはないので結論から言うと、「商用サイトで集客が目的ならオススメしない」と個人的には考えます。
理由は調べればいくらでも出てきますので、あえてここでは省きますね。
あと、本格サイトが作れるのか?って部分ですが、これも結論から言うと「作れません」。
本格サイトという定義も曖昧ですが、先程もお伝えしたとおり「商用サイトで集客が目的ならオススメしない」としか言えません。
安くて早いファストフードみたいなクオリティでいい人なら、どうぞ一度使ってみてくださいと言いたいところですが、サイトを作るという「貴重な時間」を無駄にしてもいいって人向けです。
勘違いしないでいただきたいのは、別にWixやJimdoであっても、WordPressよりも機能や集客力が落ちるということを理解した上で使用するのであれば問題ありません。
何を使うかは個人の好みですし、WordPressが使えない事情のある人だっているでしょう。
一番私が気になるのは「本格サイトが無料で作れる」という、売り手の言い分を100%信じて使ってしまうことです。
普通に考えて、そんな美味しい話があるわけありません。
そんなものがあったら世の中のWeb制作会社はとっくに絶滅しています。
WordPressのメリットとデメリット
では、CMSの代表格であるWordPressを使うメリットとデメリットを簡潔にお伝えします。
WordPressのメリット
- 凝ったものでなければ、マークアップ言語やプログラミング言語の知識不要
- サイトの更新が楽にできる
- ページ追加が楽にできる
- リンクの設置が楽にできる
- 画像の設置が楽にできる
- テーマを替えるとデザインチェンジが出来る(調整は必要)
- 拡張機能(プラグイン)が豊富にある
- 最適な設定であればSEO(検索エンジン最適化)に強い
- Googleが推奨しているCMSでもある
- シェアが圧倒的に高いので情報量が豊富
WordPressのデメリット
- 繊細なシステムなので、操作を間違えるとヤバイことになるケースもある
- 常にアップデートが必要
- アップデート前にはバックアップが必須
- アップデート時にエラーが出ることがある
- 拡張機能を使いすぎると干渉エラーが出ることがある
- 静的なサイト(非CMSのサイト)よりも表示速度が遅い
- セキュリティ面を気にする必要がある
上記のメリットを活かすのも、デメリット部分をクリアするのも、やはり多少は勉強が必要です。
制作会社でもメリットで挙げたSEOに関する部分は活かしきれていなかったりすることもありますが、デメリット面は概ねカバーできている印象です。
制作会社がシステム保守を引き受けるのは、業務代行や保険みたいなものだと思っておいてください。
CMSまとめ
- CMSとは自身でコンテンツを管理するためのシステムのこと
- CMSシェアのNo.1はWordPressで約32%のサイトが使用している
- Wixのシェアは1%程度、Jimdoは0.2%程度
- 商用サイトならWordPressを超絶オススメ
- WordPressでサイトを公開するには、レンタルサーバーと独自ドメインが必要
- メリットとデメリットを理解して、自身で出来ることは自分でやるとコストが浮く
- 出来ないことや時間がかかりすぎることはWeb制作会社に任せる
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